THE SAVAGE

THE SAVAGE STORY

ーTHE SAVAGE STORY

 THE SAVAGEが、どういな経緯で生まれ、活動を始めたのか。その物語を、ここに記したい。

               

同じ夢を掲げ出逢った5人。だが、希望を抱いた想いは予想もしない暗闇へと落ちてゆく。。

   

ドラマとは、そこに予期せぬことが起きるからこそ、キャストたちの、その先の行動へ強く惹かれてゆく。

筋書きのある物語でも、人の心を揺さぶる感動を描くことは出来る。

でも現実は、予測や想像を越えたことが往々にして起きるもの…。

 そこには、人の想像を越えた嬉しい出来事も、心を苦しめるつらい事件も生まれる。

求めていた道が広がることもあれば、予想だにしない道が生まれ、ぬかるみへはまってしまうこともある。

筋書きという計画は建てるが、その通りに進むことはなかなかない。

 でも、人と人との心の共鳴によって、描きたい道が輝きを放つこともある。

その光に沿って進み続け、夢を現実に変えてゆく人たちもけっして少なくはない。

 NADiA、NANA、TAKARA、YUYA、TOMOYA。そのほとんどが「ダンサー」という共通項を持ちながら、それぞれが異なる道を歩み続けてきた。

TOMOYA以外の4人は、プロのダンサーとしてメジャーなアーティストたちと共演しながら、その才能に磨きをかけてきた。

  そしてもう一つ、5人には、出逢う前から共通する一つの想いがあった。それが…

「サポートという位置に甘んじるのではなく、一人の表現者としてみずから表舞台に立つ」ことだった。

  それまで接点の無かった5人を繋げたのは、SNSだった。

 それが、今の時代らしい繋がり方じゃない…。

  5人の出会いについて、NADiAはこう語ってくれた。

 

「とあるメジャーメーカーの新人発掘オーディションの話があり、そこにエントリーするためのグループを作ろうと、あるプロデューサーがSNSを通しメンバーの募集をかけました。その発信を目にし、反応した人たちの中から選び抜かれたのが、この5人でした。

時期は、2020年4月とコロナ禍のまっただ中。選ばれたわたしたちも、最初の2カ月は直接会うこともなく、オンラインを通しての顔合わせであり、そこで互いの意志を確認しあうなどミーティングを重ねてきました。

   当時から5人の波長はとても合っていたことから、新しい何かを生み出せそうな予感を覚え、全員がグループ結成にとても期待を寄せていました。

 ただ、 5人が集まった当初から、メンバーの期待とは裏腹になかなか話が進まず私たちも焦りを覚えていたところ、夏を迎えた時期、プロデューサーに突然「オーディションの話は無くなったので、このグループも継続は出来ない」と、始まってもいないまま解散を突きつけられました」(NADiA)

  それぞれが、現状よりワンステップ踏みだそうと新たな決意を示していた中での、予想もしなかった解体の発言。

でも、メンバー自身の気持ちのチューニングは全員一致していたことから、活動もしないまま袂を分かつことは、5人とも望んでいなかった。

  そこでNADiAが、以前から様々なイベントへ参加する際のブッキング時にお世話になっていた今のプロデューサーへ、「本当なら、グループを作ったら、ブッキングでお世話になろうと声をかけようと思っていたんですけど…」と現状を嘆くように伝えながら、今後の道を相談。

そこで、思いがけない言葉が返ってきたことが、THE SAVAGEが生まれるきっかけになった。

  「最初は、「どうしようか」悩んでいた気持ちを伝え、励ましやアドバイスをいただこうかと思い連絡を取っていたんですけど。まさか、「一緒にやろうか」と言われるとは思ってもいなかったので、もう嬉しい驚きでした。

  5人が出逢って、4ヶ月以上動きが進まなかったことが、今のプロデューサーに相談を持ちかけたら、翌日にはゴーサインが出れば、それから物事が全力で駆けだすよう一気に動き出しました」(NADiA)

             

5人がTHE SAVAGEという船に乗り込んだ、その背景にあったのが…。

                              

 プロのダンサーとして活動していた4人と、夢を追いかけていた1人が、なぜTHE SAVAGEという船に乗り込んだのか…。

その背景を、それぞれの言葉を通して伝えたい。

  「このメンバーの中、唯一経験の浅いメンバーになります。僕に関しては、夢を追いかけてゆく中、歌声の素養を認められて声をかけていただいた形でした。しかも、「一緒に活動をするメンバーがこの人たち」と4人のプロフィールを見せてもらったとき、錚々たる経歴のメンバーばかりが並んでるじゃないですか。中には、1年間同じ「PRODUCE 101 JAPAN」の練習生として共にしたYUYAくんもいたことから、「今の自分だけの力では有名になれるビジョンが見えにくいけど、この人たちとなら一緒に夢を見れる」と強く思ったことで、THE SAVAGEへ…というか、その前の、このメンバーが集まるきっかけとなったチームへ参加することを決めました」(TOMOYA)

  「過去にも、某オーディション番組を通して誕生したグループや、期間限定のグループなどを経験。同時に、大型ツアーにもいくつか参加させていただいてきました。NADiAさんも同じアーティストのステージで顔を合わせていましたが、直接面識はないだけで、そのころから知っていました。

 ダンサーとして経験を重ね続けていく中、次第にバックダンサーよりも、パーマネントなグループとして活動したい気持ちが大きくなっていたところ、今回のオーディションを発見。グループ活動に力を注ぎながら一緒に夢を追いかけたいと思い、応募。今のメンバーと知り合いました」(YUYA)

  裏話になるが、一度グループ解体の話が持ち上がり、5人だけで「今後どうするか」の相談をしたとき、真っ先にYUYAが「この5人で活動を続けよう。夢を追いかけよう」と言ったことがきっかけとなり、(当時は)プロデューサー不在のまま、5人で進もうとした経緯もある。

  「ぼくが初めてダンスにふれたのは高校のときです。それまでは、ずっとサッカー少年でした。サッカーについてはどこか中途半端で、常に逃げていました。そんな自分に夢を教えてくれたのがダンスなんです。ダンスは練習した分だけ上達して、いつのまにかダンスバトルの大会に出て勝てるようになっていて。その頃には世界にも行けると思っていました。

始めてから7年後、本当に世界大会に優勝する事ができました。マジで嬉しかった。誰よりも練習して、誰よりもそれを好きになれば、必ず夢が叶うということをダンスが教えてくれました。同時にその喜びを自分だけじゃなくて、見てくれる人に魅せるという事で分け与えたいっていう事を考え始めました。そんな中THE SAVAGEのお話とみんなに出会ったんです。ダンスを通じて多くの人を笑顔に、そして幸せにできるのはこのグループしかないと瞬間的に感じましたね」(TAKARA)

 「わたしは、以前からプロのバックダンサーになることが夢でした。その夢は叶いましたが、ダンサーとして活動をしていく中、どうしてもジレンマを覚えることがありました。  もちろん、バックダンサーですから主役を立てるのは当たり前ですが、自分の主張や存在が強すぎるのか、どの現場でも「目立たないで」といつも言われてきました。でも、やっぱり一人の表現者としての自分も出したいじゃないですか。

 次第に「自分が前に出る活動をしたい」気持ちが膨らんでいく中、このメンバーが集まるきっかけとなったオーディションを発見。「わたしは引き立て役ではなく主役になる」という強い意志を持って応募し、ここに顔を並べることになりました」(NANA)

  「わたしは、幼少の頃から「あなたは前に出る人」とずっと言われ続けてきました。でも、私自身は引っ込み思案な性格で、そう言われるのが嫌で、逆に目立たないようにしていました。その性格が身に沁みていたのか、プロのダンサーになり、「あなたは前に出るべき人だから」と言われても、なかなか踏みだせずにいました。

  ここに至るまでにも、某有名グループの新メンバー加入のお話をいただいたこともありました。そこでも言われたのが、「あなたの個性は、むしろ、このグループに入ることで消されてしまう」という言葉。それで加入はなくなったんですけど。そんな時期に、三代目 J SOUL BROTHERSの今市隆ニさんのソロツアーにダンサーとして参加しました。そのツアーを始めるときに、今市さんが「僕の名前でソロツアーが行われれば、僕は歌う人、みんなはダンサー、そして演奏するミュージシャンとそれぞれ役割は分かれてる。だけど全員土俵は一緒だし、同じ仲間。みんなが同じ立場で一緒にチームとしてライブを作っていきたい」と言ったんですね。その言葉を聞いて「すごく素敵だなぁ」と思って、わたしもグループという存在にとても惹かれました。

  その後も、みんなで作り上げてゆく活動を重ねてきましたけど。いくら「グループとして同じスタンスだから」と言われても、やっぱしお客さんは、その顔となる人を目的に観に来るわけじゃないですか。そこから次第に、わたしの名前で。わたしも参加しているグループとして人を惹きつけたいと思うようになりだしたとき、今回のオーディションを発見。今に至りました」(NADiA)

                 

メンバー個々の隠された魅力や持ち味を暴露!!!!

     

   ここで、もう少しメンバーの個性(キャラクター)を深掘りしよう。

  THE SAVAGEのメインヴォーカルを担うTOMOYAは、メンバーいわく「たとえ経験がなくとも、何事もすぐにものにしてしまう天才肌。しかも、天然系の王子様キャラ」(YUYA)。けっして自己主張は強くないが、「おだてられて育ってきた」(TOMOYA)とみずから語るように、まわりがその才能を認め、重要な役割を振ってきた、まさに「中心にいて光を集める存在」。ただし、目立ちたがり屋ではなく、むしろ物静かな性格。他の4人がテンション高いぶん、そこを上手く中和してゆくバランサーとしての役割もグループ内では担っている。

  主にラップを担当しているYUYAは、とてもアーティスト肌なメンバーの一人。「環境を乱すことなく、でも、自由奔放にやりたい表現を求めてゆく個性派」(NADiA)のように、ときにメンバーを驚かせるが、でも筋の通ったことをやったうえでの行動のように、メンバーの誰もが自由奔放でセンスのあるYUYAのアーティスティックな才能を認めている。

  それは、同じヴォーカリストのTAKARAにも言えること。「何処までも遠慮のない自由奔放なヤンチャ坊主。でも、何事も真っ直ぐなように、気持ちがはっきりしてるから、むしろすっきりする」(NANA)と語るように、TAKARAもYUYAも、グループとしての調和はもちろん。それぞれが自分の感性を自由に伸ばす活動を無自覚なままに行っている。だからこそ、「アーティストらしいアーティスト」と言われるわけだ。

  じつは、TOMOYAもTAKARAやYUYAと同じく、自由人。女性陣いわく「うちの男性陣は誰一人前に出て引っ張ろうとしない、自由過ぎるヤンチャな子供たち。でも、その無邪気さが可愛い」(NANA)そうだ。

  そんな3人を上手くまとめあげているのが、メンバーいわく「THE SAVAGEのお母さん」(TOMOYA)と呼ばれているラップ担当のNANAになる。みずからも、「みんなの保護者」(NANA)と語るように、そこは本人も自覚している。同時に、「何時も物事の4つや5つ先まで見通して計画や行動していく戦略家でアイデアマン」(NADiA)のように、THE SAVAGEの道標となり、メンバーを導いてゆく頼れる姉貴分でもある。

  実質のリーダー格であるNADiAは、グループ全体をつねに冷静に見据えてゆく人。みずから「昔からドライなところもあって、何事も冷静に見てしまう」(NADiA)ように、THE SAVAGEの活動に於いても、4人が熱くなっていく中、つねに冷静に物事を見据え、客観的に判断を下している。メンバーでありながらも、ある種、プロデューサー的な立場とも言えようか。

            

THE SAVAGEこそがオリジネーターになりたい。

               

  グループ名でもあるSAVAGEという言葉には、「獰猛、野蛮、未開、野生」などの意味がある。ただし、THE SAVAGEの場合、その意味は「未完のヤバさ」と捉えていただきたい。

 個々に、すでにダンサー/パフォーマーとして際立った個性を表出。

潜在的なセンスを秘めた5人が、グループとしての経験を重ね、どんな風に研ぎ澄まされ、輝いていくのか…。

その成長のストーリーを追いかけてもらいたい。

  THE SAVAGEのグループ・コンセプトについて、NADiAはこう語ってくれた。

  「光の三原色のように、それぞれ培ってきた人生の経験を様々に組み合わせながら、多色多彩な色(個性)を生み出していきたい。THE SAVAGEのデビュー曲となる1stデジタルシングル「SunLight Yellow」に黄色を据えたのも、昇る朝日=ここから始まるという意味を黄色に託してのこと。今回真っ白な衣装で5人が統一したのにも、まっさらな想いで始まるという理由と、スポットライトを浴びる= 白という意味を重ねています」(NADiA)

  THE SAVAGEが1stシングル「SunLight Yellow」を通し提示したのが、UKガラージスタイル。ただし、それが「THE SAVAGEの顔」ではなく、それも「多彩な色(音楽性)を持つTHE SAVAGEの一つの表情」(NANA)とも伝えてきた。

  今はダンスミュージックを軸に据えて表現しているが、THE SAVAGEとしては、細かな音楽ジャンルではなく、J-POPという大きな枠の中に風穴を空ける活動を求めている。

  ただし、無理にヒットチャートを狙うわけではない。

あくまでも、「ONE AND ONLY」なスタイルを提示し続け、その独自性を、何時かメインストリームの一つとして伸し上げてゆくことを求めている。

  2人の女性陣とTAKARAが、「SunLight Yellow」の魅力を語るうえで興味深い言葉を届けてくれたので、紹介したい。

  「「SunLight Yellow」が最初に掲げたのが、UKガラージという、少し前に流行った音楽スタイル。そこへTHE SAVAGEの持ち味である男女混成のラップや2人のヴォーカルの甘い声と、美しい女性ハーモニーを加え、和製ガラージという自分たち独自のスタイルに昇華しました。けっしてキャッチーなわけではない。だけど、5人の声の個性をしっかり反映できれば、MVを通しダンス面での独自性も示せたように、「この5人だからこそ」という意味を感じ取れるオリジナル色の強い楽曲に仕上げられたと思います」(NANA)

 「個人的にUKのビートは大好きでPART2STYLE(※音楽プロデューサー)さんに最初にデモトラックを頂いた時はかなりテンションがあがりました。

自分は根っからのストリートダンサーですし、ダンスを始めて今までアンダーグラウンドなサウンドにしか触れてこなかったんです。70s,80s,90s,色んな音楽を聴いて体で表現してきましたが、「SunLight Yellow」は完成した時に、自分がかっこいいと思っていたそんな音楽達にも遜色劣らないと正直感じました。自信をもってめちゃくちゃかっこいいと言いたいです(笑)。この曲は日本に新しい風を持ってくるんではないかって個人的に感じています。」(TAKARA)

  「その時代ごと、流行りのジャンルがあるのもわかります。もちろん、まわりの評価が大事なのも知っています。「この商品が売れた」となると、こぞって他の会社も真似をし始めますけど。結局、オリジナルが一番長く支持を得続けるわけじゃないですか。THE SAVAGEも、そう。誰かの真似をしてそこに乗っかるのではなく、自分たちが「これが格好いい!!」と信じた音楽を追求し続けたい。結果、THE SAVAGEの音楽がオリジネーターとなって支持を受けてこそ、本当の意味でメインストリームになれる。それをしていけるのがTHE SAVAGE。だからこそ、メンバー全員が本当に納得した音楽をこれからも作り続ければ、最初の宣言になるのが「SunLight Yellow」なんです」(NADiA)

  

そして、あなたも物語を彩るキャストとして…。

   

 THE SAVAGEが描き始めた物語は、まだ第一章の書き出しでしかない。序章となる波瀾万丈な出会いを経て、最初に書き始めた「SunLight Yellow」という楽曲に詰め込んだ中には、ここから物語が始まることも記している。

5人は、これから生み出す楽曲に。そして、歩み続ける道筋に「SunLight Yellow」から繋がるいろんな物語を綴ろうとしている。

もちろん、すべてが繋がりを描くわけではない。でも、これから生まれる物語のすべてが、今、踏みだした光輝く道の上で繰り広げられるエピソードへ、いろんな形で繋がってゆくのも事実。

シビアな言い方をするなら、輝く道から逸れてしまうこともあるかも知れない。

そのまま輝いた光を、さらに眩しくしてゆくのかも知れない。

その先の物語は、今は誰にもわからない。

わからないからこそ、その先の物語を読みたくなる。

もしかしたら、そこへ綴る物語のキャストとして、あなたも加わっているかも知れない。

少しでも興味を惹かれたなら、あなたも、5人が綴る波瀾万丈な物語の目撃者であり、それぞれのページを彩るキャストであっていただけたら幸いだ。

      

TEXT:長澤智典